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« たんすの数えかたについて? | メイン | 桐たんすの開き部分を“洋”と 呼ぶのですか? »2008年3月11日
うちの桐たんすは 削り直した方がいい物でしょうか?
よくいただく質問です。
桐たんすだと思うのだけど お金かけて直す価値があるものだろうか。
どれほどのものなのだろうか。 というところです。
桐たんすを 削り直すかどうかの判断については
まず 品物が どの程度の物かを見極めるということですが
それ以外にも だれがどういう経緯で買った物かを
確認しておくことも大事です。
実際に買った人が元気であるならば
御婚礼に際して気合いを入れて買ったとか
とりあえず 間に合わせでとか
誰がかってくれたものとか
そのあたりの思い入れの部分も確認しておくこと
も必要です
さて 品物自体を判断するにあたっては
まず 周りをじっくりと観察して下さい。
素人目にもいい物はいいですし そおでもないものはそうでもない。
で どちらで買った物かも聞いておいていただけると助かります。
相徳でお買い求めということであれば たいへんにけっこうですが
それ以外でも どこのたんす屋ということで 一定のグレードが
期待できるという たんす屋があります。
例えば 鷲塚 加賀安 とか 京都の宮崎さんとか
で あれば その段階で あとはあまり確認しなくても大丈夫
どこで買ったかわからない とか 特定の何件か以外のたんす屋の場合
これが 地方であると かなりじっくりと確認しなければなりませんが
基本的に関東地方のたんすを前提として考えます
問題としているのは たんすのグレードがどの程度か
と こんなに傷んでいて直るのか の 判断だと思います
たんすのグレードがどの程度の物であれ かかる費用的な物は大差が無く
グレードが低いものの方が 構造的にしっかりしていないわけですから
かえって手がかるという可能性が高く
これについては ご説明します。
傷みがひどいについては かなり傷んでいても
それほど問題はありません
部分的に不足していても 製作する事が可能です
たんすを見極めるうえでのグレードの判断ですが
これには 昭和14年に奢侈品の統制令に基づく
桐箪笥組合の 自粛価格表というのを参考に考えてもらうと説明
しやすいのですが これはまだ うちのhpにものせていないので
もうしわけありませんが この時の価格表は
業界としてのコンセンサスにもとずいて価格表を作り上げたのであり
また 非常にわかりやすく しろうとにも 判断がつくようになっています。
というわけで 14年以前の物についても
同様に判断をする事が可能です。
さて まず 総桐か そうではないのかの判断をします
総桐でないという場合 桐以外の部分に使われている材料は
ほとんどが杉であり これをどこの部分に用いるかで
分類されます。総桐 四方桐 三方桐 等と呼び
四方は 4方向の意味 三方は 3方向の意味で
前面 両側面で 三方 それに 後ろ側で 四方となります
四方が総桐でないのは 抽斗の底板などが 杉という事になります
桐と杉との見分けですが 桐は 白に近い乳白色にピンクがかる
が古くなるにしたがって 茶がかるという色ですけれども
杉は もっと赤みの強い木です。
杉は 昔の文明堂のカステラの箱 というとわかりやすいのではと思います
カステラ入れる箱ですから まあ そのぐらいの箱のグレードといえます。
ひきだしを 完全に抜ききって その抽斗を取り去った後をのぞく
抽斗を ぐるっと見回す で 材料が みんな同じ木でできている
これが 総桐の大原則
総桐であれば 直していいと思います
三方であれば やめた方が 四方であれば 判断が難しい
というところでしょうか。
さらにその中のグレードは という点については
今回は 説明を長くもなりますので 見送ります
が これは 大正時代から 昭和30年台半ばぐらいまでのたんすについて
有効であって それ以後の物については 有効ではありません
桐箪笥の更生・削りなおしについては
http://www.aitoku.co.jp/kousei/
を 参照してください。
カテゴリ: ご質問とお答え , 桐たんすの質問 , 修理・更生・削り」直しの質問 | 投稿者:Tansu
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